AIエンジニアを目指すうえで身につけないといけないスキルの1つに、数学や業界における専門知識と並んでプログラミング言語があります。
しかし、一言でプログラミング言語といってもたくさんの種類があって、AIエンジニアを目指す際にどの言語を身につければよいか分かりませんよね。
この記事では、以下の内容について紹介していきます。
- AIエンジニアを目指す人におすすめのプログラミング言語
- PythonがAIエンジニアに対しておすすめの理由
- Pythonを身につけていくための選択肢
- Pythonを学べる具体的なスクール
この記事を読めば、AIエンジニア未経験の人でもおすすめのプログラミング言語をどのように学んでいけばよいのかが分かり、AIエンジニアに向けた第一歩を踏み出せるでしょう。
AIエンジニアが使用している言語は?
プログラミング言語について検索すると数多くの言語が出てきます。
しかし、実際AIの開発ではどの言語が良く使われていて、AIエンジニアになるためにはどの言語を身につければよいのか分かりません。
そこで、実際にAIエンジニアが活用しているおすすめのプログラミング言語を3種類紹介していきます。
- Python
- C/C++
- Julia
まずは、それぞれの特徴を理解しておきましょう。
PythonはAIエンジニアが最も多く使用している
AIエンジニアがもっとも多く使用しているのは、Pythonという言語です。
アメリカに本部を置く電気・情報工学分野の学会であるIEEEの調査によると、2019年度の人気プログラミング言語でもPythonは1位に輝いており、世界的にも人気を集めているといえます。
PythonはAI開発で多く用いられる科学技術計算を行いやすいように作られている為、人気が集まっています。
また、多くのエンジニアが使用し、開発されたライブラリを無料で使える点も魅力的です。
今後もAI開発にメインで使われるプログラミング言語となるため、AIエンジニアには必須といえます。
C/C++もAIエンジニアには使われている
歴史あるプログラミング言語であるC/C++もAIエンジニアにはよく用いられています。
CやC++をそれぞれ単独ではなく、双方を組み合わせることが多いのもこのAI開発におけるC/C++の特徴です。
C言語はハードウェアの特性を考慮しながら設計する必要がある場合に強みを発揮し、他の言語に比べて処理速度が速い点が魅力です。
汎用性があるわけではありませんが、今後も継続してAI開発には使用されていくでしょう。
Juliaは2012年に公開された新しい言語
Juliaは2012年に公開されたばかりのとても新しい言語です。
特徴は、Pythonに比べて10倍程度処理速度が速い点で、これは他の言語に比べても桁違いの速さです。
また、新しい言語ということで既に公開されている言語では実装が面倒だった部分を簡単に導入できるような点も魅力といえます。
機械学習やAI開発で使用されることを意識して開発されているので今後普及が進むか、注目しておきたいプログラミング言語です。
AIエンジニアによる開発にPythonが選ばれている理由
Pythonは、読み書きがしやすくコードの記述量が少ないことからAIエンジニアの開発に選ばれることが多いです。
また、C言語との相性が良く、数多くのWebアプリケーションの開発に活用されている点も勉強する人が多い理由です。
具体的には、Instagram、YouTubeなどのアプリケーションに使われています。
また、Pythonの他にRを使ったりSQLを書く人も多いです。
①コードがわかりやすい
プログラミング言語には、同じことを実現するために複数の表現方法がある言語と、ほとんど1つの表現しかない言語に分かれています。
どちらが優れているという話ではなく、その言語を開発する際にコンセプトとして設定されたものです。
Pythonは1つの実現したいことに対して、誰が書いてもほとんど同じ表現になるため、他人が書いたコードでも理解しやすいというメリットがあります。
他の人のコードを参考にするのはもちろんですが、新しく学習をする際にも効率よく身につけやすい点が人気を集めています。
②市場から求められている
転職エージェントとして有名なビズリーチが2018年に行った調査によると、プログラミング言語別の年収においてPythonは3位にランクインしています。
また、トップ3の中では求人数が圧倒的に多く、市場から広く求められているということが分かります。
調査は2018年ですが、この傾向は今後も人工知能や機械学習の開発が続く限りは継続していくと考えられ、Pythonが人気である理由の1つです。
③多くの人に使われている
Pythonは既に多くのAIエンジニアや研究者が世界中で使用しており、便利に活用するためのライブラリが多く開発されています。
開発されたライブラリのほとんどが無料で公開されており、誰でも使用できるので比較的短時間で高性能なサービス開発が可能です。
また使用者が多いということは、それだけ情報も出回っているため困ったときの解決も早く、相談できる人も多くいます。
需要が無くなってくるとできる人が多いのは欠点になりますが、今後も人工知能の発展が期待される中では不要な心配でしょう。
Pythonで実現できることは?
Pythonは、効率よくシンプルなプログラムを書けることからデータの自動収集や自動処理に向いています。
また、データの解析や分析も得意なことからビッグデータの収集に使われることも多く、マーケティングにも活用されます。
近年では、機械学習やAIの開発に活用されています。Pythonは機械学習のためのフレームワークが充実していることから効率よく実装できるのが特徴です。
更に、画像処理や音声認識、自然言語処理といったディープラーニング周りの実装も行えるので、業務の効率化やテキスト解析などにも活用されています。
Pythonを身につける方法は?
AIエンジニアとして活躍しキャリアアップしていくには必要不可欠なPythonですが、身につけるためには次のような手段があります。
- 独学で参考書などから学ぶ
- 無料のプログラミングスクールを活用する
- 有料のプログラミングスクールを活用する
それぞれどのような特徴があり、どのように使うのがおすすめでしょうか?
Python学習におすすめの参考書
未経験者がPython学習を始めるのにおすすめの本は、以下の2冊です。
- Python3 入門ノート
- Pythonではじめる機械学習
また、文系からAIエンジニアを目指す方は以下の本も併せて読むのがおすすめです。
- グーグルに学ぶディープラーニング
- はじめての人工知能 Excelで体験しながら学ぶAI
未経験者や、学習したい内容など分類しているのでこの中から目的に合ったものを選ぶとよいでしょう。
Python学習におすすめの講座
独学でPythonを学習するには参考書をベースとしつつも、どうしても行き詰まってしまった場合は単発のオンライン講座を活用しましょう。
数多くのオンライン講座を扱っているUdemyではPythonのカテゴリも開設されており、数多くの動画が準備されています。
有料のものが多いですが、中には無料で受講できるものも多いので悩んでいる部分を解決できそうなものを選択しましょう。
Pythonを独学で学ぶことは可能?
Pythonを趣味で学ぶためには独学でも問題ありませんが、AIエンジニアを目指すのには独学のみで進めるのは難しい可能性があります。
独学であればお金をなるべくかけずに学んでいくことはできますが、AIエンジニアとして必要でないスキルが含まれていたり、理解に時間がかかってしまうため効率が悪いです。
そのため、より早く実践的なスキルを身につけたい方は、ある程度指針が明確になっているプログラミングスクールを活用するのがよいでしょう。
Python習得におすすめの無料プログラミングスクール
まずPythonという言語がどのようなものかを知る為に、お金をかけずに無料で学べるプログラミングスクールを活用するのもおすすめです。
最初からお金をかけて勉強し始めても、合わずに辞めたくなる可能性もあります。
継続して学んでいけそうかどうか、無料のプログラミングスクールで確認する際におすすめのスクールは、いずれもオンラインサイトです。
Progate
世界100ヶ国以上で130万人以上がレッスンを受けているProgateには無料プランと有料プランが用意されています。
無料プランでもPythonの講座は5段階に分かれていて、「Pythonがどういう言語でどのように使うのか?」という点、また基本的な項目について学習が可能です。
また有料プランは月額980円を支払うことで、Python以外の数多くの言語も含めて学習ができますので無料プランを使用した後に継続して学習したい場合は有料プランへの移行もおすすめです。
paizaラーニング
paizaラーニングは動画教材と練習問題を活用しながら、ブラウザ上でプログラミング言語を学習できるサイトです。
事前準備が不要なので、気軽に始めることができ不明点はエンジニアに質問も可能です。
Pythonの入門講座は完全無料で受講でき、AIや機械学習との組み合わせ講座も一部無料で受講可能なため、まず入り口として学習するにはよいでしょう。
ドットインストール
ドットインストールも3分程度の短い動画を活用しながらプログラミング言語を学習していくサイトで、ステップが細かく分かれているため隙間時間も活用できます。
開発環境を整えるところからスタートしますので、本格的な開発に移行する際にも困りません。
Pythonの講座は一部だけ無料で公開されていますので、まずは無料部分で感覚を掴んでみるのがおすすめです。
Python習得におすすめの有料プログラミングスクール
独学や無料のプログラミングスクールで勉強した後、就職やスキルアップを目指して本格的に勉強する場合には、有料のプログラミングスクールがおすすめです。
高額な場合も多いですが、実践的なスキルをみにつけそのまま就職のサポートをしてくれるスクールも増えているため、長期的なコストパフォーマンスを考慮して決めれるとよいですね。
TECH ACADEMY
将来的にAIエンジニアとして活躍したり機械学習を用いて起業したりしたい方の為に、Pythonコースではプログラミング言語のみに限らず機械学習の基礎まで学習できます。
メンター制度が導入されているため、週2回マンツーマンでサポートを受けられ、15時~23時はチャットサポートで対応してくれるため、躓きにくいのが特徴です。
プランも4週間プランから16週間プランまで用意されており、かけれる時間と目的に応じた選択ができます。
また、学生の場合には社会人よりも割安で受講可能です。
Pythonコースの後には、はじめてのAIコース、AIコース、データサイエンスコースなどステップアップしていく講座の受講もおすすめです。
CodeCamp
CodeCampのPython講座はイチから学ぶことができ、仕事につかえるタスクの自動処理を学習できます。
LINEや家庭教師のトライ、ニトリなど300社以上の研修として導入されており、現役のエンジニアからオンラインマンツーマンの指導を受講可能です。
約2ヶ月の期間と短期間ではありますが、オンラインで7時~24時までの間の好きな時間を選んで受講できるため、忙しい社会人や海外からでも学習できます。
まずは無料体験レッスンで自分に合うか確認してみるのもおすすめです。
DIVE INTO CODE
プログラミング言語としてPythonを学習するだけでなく、エンジニアとしての就職や活躍を目指すためのスクールなので、実践的な内容を学習できます。
就職達成プログラムは高価ですが、webエンジニアとして就職することをゴールとしたプログラムで、フルタイムでの学習では4ヶ月間で基礎から実践的なスキルまでを身につけ、就職活動のサポートをしてくれます。
実際の開発現場に即してコードレビューや、チームでの開発も経験できるため就職した後のことをイメージしながら取り組める点は魅力的です。
ExcelがPythonに対応
米国Microsoftでは、2023年8月23日に表計算アプリケーションのExcelがPythonに対応可能になったと発表されました。
現状では、現在は試験的な機能を利用することができる「Microsoft 365 Insider Program」の参加者のみが使用できます。
活用方法が確立されれば今後は一般展開も予想されるので、注目しておいて損はないでしょう。
Excelでできること
Excelでは、統計解析や機械学習まで様々な用途に使うことができるため、今までPythonに触れたことがない人でも学習しやすくなります。
また、Windows向けのベータ版を利用すればPythonのコードをExcelのセルに直接入力できるPY関数が使えるのもポイントです。
PY関数では、ビジュアライゼーションやデータクレンジング、予想分析などを行えるとの発表も。
Excelの既存の数式やピボットテーブル、グラフなどの機能と互換性があり、Pythonのグラフ作成ライブラリを組み込んで、簡単な棒グラフや折れ線グラフからヒートマップ、バイオリン プロット、群プロットまで描き出せます。
身近なものでpythonが使われている例は?
ここで、私達が普段使用したり聞いたことがあったりする会社・サービスの中で、Pythonが使われているものを紹介します。
身近にあるサービスに使われていることを知ると、具体的な使われ方が理解できますし、学習に対するハードルが下がるのではないでしょうか?
Youtube
世界中でもっとも多くの人に使用されている動画共有サイトのYoutubeも、開発環境の一部としてサーバーサイド側にPythonが用いられています。
サーバーサイドは、私達が入力したデータに対してサーバ側での処理を担当しています。Pythonにはこのサーバーサイド側の実装を効率よく進めるためのフレームワークが数多く用意されています。
自分が学習するスキルが、世界中で多くの人に使用される姿をイメージするとワクワクしますね。
Dropbox
アメリカの株式市場であるNASDAQに2018年に上場を申請したDropboxは、オンラインストレージサービスを提供しています。
ストレージにはあらゆる環境から世界中のユーザーがアクセスできる必要があるため、どんな端末でも同じような動作を実現する必要があります。
Pythonには異なる環境での開発に対応しやすいキットが充実していますので、このように利便性が高い点も魅力的です。
LINE
過去には、日本にも多くのユーザーがいるLINE株式会社でもPythonのエンジニアを募集していました。
新規ツールの開発や既存ツールの改修を目的としていて、Pythonでの開発経験さえあれば仮に現役のエンジニアでなかったとしても応募資格を満たせていました。
今後もこのように、国内の有名企業や世界的に活躍する企業からPythonの開発経験を持った求人案件が出てくることは十分に考えられますので、チャンスを掴めるように準備をしておきたいですね。
AIエンジニアを目指すなら言語はPythonを学ぼう
AIエンジニアに利用されるプログラミング言語は複数ありますが、その中では現在も今後も含めPythonを身につけておくことが重要です。
学習の選択肢は複数ありますが、未経験から本気でAIエンジニアを目指すのであれば有料のプログラミングスクールを活用して、短期間で効率よく学習を進めることが重要です。
どのプログラミング言語を学ぶのか迷っているのであれば、まずはPythonの学習を始めましょう。