近年、さまざまなAIサービスが登場していますが、そのなかでも注目度が高まっているのが「Azure OpenAI Service」です。
AIサービスといえば、ChatGPTをイメージする方も多いと思いますが、Azure OpenAI ServiceはChatGPTと大きな関係があるのは知っていますでしょうか。
この記事では、Azure OpenAI ServiceとChatGPTの違いや特徴を解説します。
Azure OpenAI Serviceとは?
Azure OpenAI Serviceは、Microsoft社が提供する人工知能(AI)サービスです。
Azureのクラウドプラットフォーム上で、DALL-EやWhispeなどのAIモデルが使用できます。
使用できるAIモデルのなかに、GPT-4などのChatGPTの生成AIモデルも含まれており、Azure OpenAI ServiceでChatGPTを使うことが可能です。
Azure OpenAI Serviceは、もともと法人向けサービスでしたが、2023年に一般向けに提供が始まり、今後より活用するシーンが増えると予想されています。
ChatGPTとは?
ChatGPTは、AI技術を使ったチャットサービスです。2022年11月に公開されてから、人間のように自然な回答ができると話題になり、一般利用する方も急増しています。
ChatGPTは新しいモデルが登場しており、従来のGPT-3から、無料で利用できるGPT-3.5や性能が向上した有料のGPT-4がリリースされ、ニーズに合った利用ができるようになりました。
最近では、ChatGPTを導入している企業も増え、ビジネスシーンでも活躍の場を広げています。
Azure OpenAI ServiceとChatGPTの違いを比較!
Azure OpenAIはエンジニア向け、ChatGPTは一般的なユーザー向けに分かれているため、ChatGPTのほうが馴染みがあるという方も多いでしょう。
ChatGPTは、メールアドレスとパスワードを登録すれば無料で簡単に利用できるため、手軽で簡単なAIサービスです。
一方で、Azure OpenAIはAPI経由でGPTを起動しなくてはいけないため、知識が必要になります。そのため、エンジニアのAIサービスといえるでしょう。
では、Azure OpenAI ServiceとChatGPTの違いを詳しく解説します。
提供形態の違い
ChatGPTは、Webブラウザから直接利用できるのが特徴です。パソコンやスマホで検索すれば誰でも簡単に楽しめるため手軽といえます。
一方で、Azure OpenAIはAPI利用のみのため、利用者側が環境を用意しなければいけません。また、審査が必要なため気軽に使いにくい点も挙げられます。
手軽かどうかの比較でいうと、ChatGPTに軍配が上がるでしょう。
モデルの違い
Azure OpenAI ServiceとChatGPTは、それぞれ利用できるAIモデルが違います。
AIサービス | 利用できるAIモデル |
Azure OpenAI Service | GPT-4 GPT-3.5 埋め込み DALL-E Whispe テキスト読み上げ (プレビュー) |
ChatGPT | GPT-3.5 GPT-4 GPT-4 |
Azure OpenAIでは、ChatGPT以外にもさまざまなAIモデルが利用できるため、システム開発やコンテンツの生成など用途に応じて選ぶことが可能です。
セキュリティの違い
Azure OpenAI Serviceの大きなメリットとして、高いセキュリティが挙げられます。
Azure OpenAIは、90種類以上のコンプライアンス認証を持っており、セキュリティ面でも安心です。閉域接続が可能なため、外部からのアクセスを制限できます。
不正アクセスやデータ漏洩を防ぐため、企業の機密情報が漏れる心配がほとんどなく、信頼性の高い環境で業務ができるでしょう。
一方で、ChatGPTはWeb上で作業をするため、セキュリティとしては不十分といえます。実際に、企業の情報が漏洩したケースもあり法人利用する場合は対策が必要です。
学習データの違い
Azure OpenAIは、ユーザーの入力データをMicrosoftのモデルの学習に利用しないのが特徴です。
事前にトレーニングされたモデルが用意されており、学習データを用意する必要がありません。また、利用者データをOpenAIに送信されることもないので安心です。
ChatGPTは、さまざまなデータソースからデータを収集してAIモデルを学習させています。インターネット上の情報やコンテンツから学習をしているため、ユーザーの学習データを利用する可能性もあるので注意しましょう。
SLAの違い
Azure OpenAIは、一般的に99.9%の稼働率を保証してくれます。安定したサービス品質が期待できるため、システム障害などのトラブルを抑えてくれるでしょう。
一方でChatGPTは、SLAの提供がありません。コミュニティサポートのみでメーカー向けのサポートは提供されていないので注意が必要です。
Azure OpenAI ServiceとChatGPTの費用の違いは?
Azure OpenAI Serviceは有料のみのサービスですが、ChatGPTは無料からでも利用ができます。ただし、より回答に精度を求めるのであれば有料プランに加入するのがよいでしょう。
では、Azure OpenAI ServiceとChatGPTの費用の違いを解説します。
Azure OpenAI Serviceの費用
Azure OpenAI Serviceは、利用した分だけ課金される従量課金を設定しています。
利用するAIモデルによっても費用が異なり、画質やトークン数ごとに費用が変動するのが特徴です。
例えば、GPT-4を利用する場合の費用例を見ていきましょう。
モデル | コンテキスト | 入力 (1,000 トークンあたり)の費用 | 出力 (1,000 トークンあたり)の費用 |
GPT-4 | 8K | $0.03 | $0.06 |
GPT-4 | 32K | $0.06 | $0.12 |
費用がかかるタイミングは、1,000トークンごとです。トークンは、文字数と単語数の中間のようなイメージで、英語の場合と日本語の場合でも異なります。
例えば、イヌをモデルとして使う場合、「dog」は1トークンです。しかし「イヌ」は2トークンになるので注意しましょう。
ChatGPTの費用
ChatGPTに登録して利用するだけであれば、基本的に無料で利用できます。遊びで利用する場合や業務目的で利用しない場合は無料版の「GPT-3.5」でも十分楽しめるでしょう。
より高精度のものを求める場合は、 有料版(ChatGPT Plus)の「GPT-4」を利用します。
有料版はサブスクリプションサービスとなっており、2024年4月現在では月額20ドルで提供されています。日本円だと、約3,000円程度です。
AIモデルGPT-3.5とGPT-4の違い
ChatGPTは、2024年4月現在では「GPT-3.5」と「GPT-4」のGPTシリーズがあります。
どちらもAzure OpenAIで利用できるため、どちらを利用すべきか悩んでいる方もいるのではないでしょうか。
どちらも基本的な機能は変わりませんが、費用が異なるため性能が異なります。
では、GPT-3.5とGPT-4の違いを詳しく見ていきましょう。
GPT-3.5の特徴
無料で利用できる「GPT-3.5」は、現在のChatGPTのデフォルトモデルです。
「GPT-3」と比較すると出力までの速度が早く、精度も向上しています。ただし、質問内容や指示によっては出力の精度はまだまだ低く、正しい情報が得られない場合も多いです。
そのため、ビジネス向けで導入するには不十分といえるでしょう。
GPT-4の特徴
有料で利用する「GPT-4」は、現在登場しているなかでも上位モデルです。GPT-3やGPT-3.5と比較して、精度が高く、日本語として自然な出力も目立つようになりました。
複数の指示を含むプロンプトにも対応できるため、より複雑な業務にも役立ちます。
また、GPT-4はマルチモーダルといって、テキスト情報だけではなく画像や音声などのフォーマットも入力データとして処理できるのが特徴です。
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Azure OpenAI ServiceとChatGPTの違いを知って使いこなそう!
ChatGPTの登場で、AIサービスが幅広く認知されるようになりました。より高度な技術を活用したい方やビジネス向けのサービスを使用したい方は、Azure OpenAI Serviceがおすすめです。
それぞれ、Azure OpenAI ServiceとChatGPTは特徴が異なるため、違いを知って使いこなしましょう。
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