AI(人工知能)の危険性とは?人間に対する影響例と対策を解説

AIの危険性

ここ数年でAI(人工知能)が一気に発達し、現在では私たちの身の回りで身近になっています。

最近ではChatGPTを始め、AIに深く精通していない方も簡単に扱えるAIツールも次々と登場しており話題になっています。

しかし、AIがどんどん発達することによって人間に対する危険性があるとの懸念点も見逃せません。

この記事では、AI(人工知能)の危険性について解説いたします。

人間に対する影響例と対策も解説するので、AIとの今後の付き合い方について見ていきましょう。

目次

AI(人工知能)とは?

AIは「Artificial Intelligence」の略称であり人工知能という意味を指しています。

その名の通り、人工的に作られた知能であり人に近い知能や知性を再現したものになります。

例えば、車の運転や工場の作業、レジ打ちなど本来は人間が行っていたものですが、最近ではAIを導入して自動化がどんどん進んでいます。

音声認識や画像認識など一部に特化したAIもありますが、人間の知能のように高いレベルで動作する「汎用人工知能(AGI)」も発展しています。

AIができる範囲が広がり、より人間に近付いた知能を持ったAIが増えていることから、今後ますますAIが社会に浸透すると予想されます。

AIは危険性があるのか

最近では、人間の活動時間や集中力の面で限界がある単純作業や、人手不足が問題視されている介護や飲食店などを助けてくれるAIの導入が当たり前になってきています。

こういった便利な反面、AIは危険性があるとの声もあります。

「AIは危険性がある」と言われている原因は、AIが発展しすぎてしまい人間を脅かす存在になる可能性があるからです。

飲食店でご飯を運んだりなど、簡単なAIであれば「AIは便利なもの」という認識ですが、ChatGPTやStableDiffusionといった生成系のAIが発展していることが危険性が高いと言われています。

文章や画像で人間と同じようなパフォーマンスを続けているうちに、AIが自己進化を続け、やがて人間が制御できない範囲にまで及んでしまうのではないかという懸念もあります。

こういった、AIが進化することによって人間の予想を超える行動や予測が増えてくることによる危険性は問題視されています。

AIは危険性があると言われる例

では、具体的にどのような行為がAIに危険性があると言われているのでしょうか。

この章では具体例を見ていきましょう。

①人間の職を奪ってしまう

1つ目は、人間の職を奪ってしまう危険性があることです。

AIは人手不足を解消することができる反面、人間がやっていた職を奪ってしまい、人間が働けなくなってしまうのではないかという懸念がされています。

AIは24時間一定のパフォーマンスで働くことができることから、人間よりも効率が良い場合が多いです。

そのため、人間を雇っていた仕事をAIがすることで、その分人件費が削減され大量解雇に繋がる可能性があります。

現に、AIが身近になったときに「AIが人間の仕事を奪ってしまうのではないか」という懸念点が挙げられていました。

今後、AIがますます発展すると同時に職を失う方も増える危険性があります。

②偏ったデータが拡大される

2つ目は、偏ったデータが拡大される危険性があることです。

AIは膨大なデータから学習して、最適な結論を導き出していきます。

例えば、カスタマーサービスの自動チャットなどは、想定される質問から最適な答えが出せるように何度も学習していきます。

最初は的を得ない回答でも、学習を重ねることによって正しい答えが導き出せるようになります。

しかし、この学習するデータに偏りがあることで、偏ったデータばかりを学習してしまい本来の回答ではないものが拡大される可能性が懸念されます。

性別や年齢、人種などに偏ったデータが拡大されることによって、間違った情報を発信してしまい不平等に繋がる危険性があります。

③人間の行動が制限される

3つ目は、人間の行動が制限される危険性です。

例えば、犯罪者や指名手配犯の顔をAIで自動認識して逮捕されるシステムを組んだとします。

このAIが仮に自分と犯罪者の顔が一致したと認識した場合、無実でも逮捕されてしまいます。

もし似ている顔だった場合や、整形などで他の人に似せていた場合は、犯罪者扱いされてしまい外に出られなくなるという可能性もあるでしょう。

もちろんこれは極端な例ですが、AIによって人間の行動や性格が予測され、人間の行動に制限がかかる危険性はあります。

④機密情報の漏洩

4つ目は、機密情報の漏洩の危険性です。

2023年に、韓国の大手企業Samsung(サムスン)が同社の機密情報をOpenAIのChatGPTに流出させたとして大問題になりました。

ChatGPTは調べ物はもちろん、関数計算やプログラミングコードも作れるようになっていることから仕事でも役に立つと評判になっています。

最近では、仕事でChatGPTを利用するのを推進している企業も増えたほどです。

しかし、ChatGPTは多くのユーザーが調べたことに対して学習を繰り返していることから、ユーザーが流した情報を学習して別のユーザーに情報を提供する可能性があります。

仕事で使わなくとも「自分の名前「〇〇〇〇」と生年月日「〇年〇月〇日」を英文に直してください」といった使い方でも、AIは学習します。

こういった、AIによる機密情報の漏洩による危険性があると言われています。

⑤著作権を無視した作品が生まれる

5つ目は、著作権を無視した作品が生まれる危険性です。

文章を生成するChatGPTやイラストを生成するStableDiffusionなどが登場したことから、初心者でもイメージした作品を作れると話題になりました。

しかし、こういったAIを使った文章やイラストは元々ある作品を学習して生まれたものであることから、著作権の侵害にあたる可能性があります。

現に、芸能人や知り合いの顔を学習させたAIの写真でSNS投稿をするユーザーが増えるなど、肖像権の面でも問題視されています。

このように、AIを利用した作品が蔓延ることによって著作権を侵害する危険性があります。

AIで生成された絵が問題になる事例も

最近は、AIで生成された絵が問題になるケースが増えてきています。

元々存在するイラストを組み合わせたり、好きなイラストレーターやキャラクターの絵を学習させて自作発言をしたりと人間がAIを使って著作権を侵害したイラストを作成して問題になっています。

SNSでは、AIで生成した作品と表示せずに自分が描いたかのように発信をして、人間がAIを悪用しているケースも見受けられるようになりました。

こういったことから、著作権を侵害した作品が世に出回ることが増え、その作品をまた学習させることによって誰の作品か分からないものばかりになることが懸念されます。

人間の手によってAIを悪用し、クリエイターの作品が侵害されるケースもあるということを覚えておきましょう。

危険性が高いAIの例は?

近年、様々なAIが開発されていますが、その中でも認知能力や意思決定能力を持つAIなどは危険視されています。

認知能力や意思決定能力に長けているAIは、使えば使うほど学習を繰り返して知能が上がっていく特徴があります。

学習を繰り返した結果、AIが人間と同じ程度の思考力を身に付けていくだけではなく、知能が人間を超えてしまう危険性があります。

もし、AIが攻撃的な思想を持った場合、人間の力では対策ができなくなりAIに侵略されてしまうのではという声も少なくありません。

「AIが人間を征服するなんてSFの世界だ」と思うかもしれませんが、AIが進化を続けることによってそういった世界もあるかもしれません。

懸念されるAIの悪用方法

AIが攻撃的な思想を持った場合や人間が悪用する場合、人間に偽装して行う犯罪が増えることが懸念されます。

例えば、音声の偽装や映像を合成したフェイクニュースやフィッシング詐欺、生体認証の偽造などが挙げられます。

他にも、自動運転技術の兵器利用や軍事用ロボットなど、人間を攻撃するためのAIが作られる可能性もあるでしょう。

このように、AIは進化を続ける反面、学習次第では危険なものになるため慎重な取扱が重要です。

AIの危険性を回避する方法は?

では、AIの危険性を感じた場合、人間が取れる対策はどういったものがあるのでしょうか。

「万が一」のために、AIを利用する場合は、以下の3点を回避する対策方法を視野に入れる必要があります。

①監視システムの強化

AIが攻撃的な挙動を持ち始めた場合、すぐに修正する必要があります。

AIによって人件費が削減されたケースはありますが、全ての工程をAIに任せきりにすることはまだまだ難しいと言えます。

このようなAIを監視する役割の人間が、少しでも怪しい挙動があった場合に気付くことができるよう監視システムを強化することが大切です。

②アラートシステムを搭載する

現在は、人間がAIが思い通りの挙動をするために操っている状態です。

しかし、ここから攻撃的な思想を学習してしまい想定外の挙動が見られた場合、進化を続ける前に人間がすぐに気付いて対応しなくてはいけません。

AIがもし人間の想定外の挙動をしたときにすぐに気付くように、アラートシステムを搭載するのも方法の一つです。

人間の目では気付かない少しの変化も、アラートシステムを組むことによって、危険な進化を事前に防ぐことができるでしょう。

③停止ボタンを搭載する

もし、AIが急速に発展して、危険だと感じた場合は停止ボタンで強制的に停止する方法もあります。

特に、介護や飲食店などで使われるAIロボットは生身の人間との関わりが強いものになります。

もし攻撃的な挙動が見受けられた場合は、人間に被害を及ぼしてしまう可能性が非常に高いと言えます。

そういったAIの暴走による危害を防ぐためにも、緊急時は人間の判断で停止させることができるようにしましょう。
AIとの関わりがある中で、リスクを抑えるためにも万が一のときは人間が止められるようにすることが大切です。

AIの仕組みを理解して共存しよう

この記事では、AIの危険性について解説いたしました。

AIは、正しく使えば人間の仕事や人手不足を解消してくれることから、現代の日本の社会に大きく貢献しています。

しかし、AIは進化が早い反面、人間の予想を超えた動きをする可能性が懸念されます。

一人一人がAIの仕組みを理解して、正しく付き合っていきましょう。

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